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広大地対象地で境界に争いがある場合でも広大地適用は出来ますか?

結論から申しますと、広大地適用可能と断定は出来ないという回答になります。 

相続税は相続開始から10か月以内に申告しなければなりませんので、境界に争いがある土地でも評価せねばなりません。 

しかしながら、境界に争いがある場合で、対象地所在地における開発許可必要面積と同程度の土地の場合、境界確定時に 敷地の増減が生じ、その結果開発許可必要面積未満となる可能性もございます。 

この場合は、当然広大地適用は否認される可能性が高いものと考えられますので、広大地適用可能とは言えません。 

但し、開発許可必要面積を大幅に超過し、相手方の主張する境界で実測しても、広大地適用面積要件には何ら支障はないということでしたら、ご検討されてもいいかも知れません。

土地(自宅・駐車場)を相続しましたが、生前より実態とは異なる地目で2筆に分筆されています。広大地は2筆1画地で適用出来ますか?

相続税評価には「利用区分」という区分方法があり、本件の土地の場合は登記簿上の地目ではなく、土地の利用状況で区分し評価することとなります。本来なら、登記上の地目も現況の利用を判断した上で決められるべきものですが、実態は一致していない場合が多々あります。

例えば、登記上の地目が「山林」のまま、自宅敷地として利用されている等です。

本件土地は自宅・駐車場ということですので、自宅で1つの利用区分、駐車場で1つの利用区分ということになります。

但し、青空駐車場は他人に賃貸していることを前提にしております。

そして、この利用区分が評価単位となります。

なお、駐車場は被相続人や相続人で利用しているのみで駐車料金の徴収はしていないということでしたら、自宅敷地の一部と考えられ、利用区分も「自宅」で一つの利用区分となります。

また、生前における土地の分筆が「生前贈与」に伴う遺産分割における分筆の場合は、分筆後の土地が利用区分となりますので注意が必要です。(不合理分割でないことが前提です。)

この他、相続開始日から申告までの間に分筆を伴う遺産分割を実施した場合は、前記と同様、分筆後の土地が利用区分となりますので注意が必要です。(不合理分割でないことが前提です。)

これは民法における遺産分割の遡及効により、相続開始時点に遡って分筆が有効となるからです。

対象地付近は戸建住宅が多く、最寄駅からはバス便の土地で、既に5階建てのショッピングセンターとして開発済の10,000㎡の土地ですが、広大地適用は可能ですか?

広大地フローチャートにより、既にマンション等の敷地用地として開発に了した土地と判断され、否認される可能性があります。

既に「マンション」と限定された記載であればショッピングセンターは一般的に言うマンションではありませんので(ショッピングセンターでも区分所有されている建物もあり、この場合、区分所有者が複数存在等の各種要件を満たせば、マンションの管理の適正化の推進に関する法律上はマンションとなりますが、広大地フローチャートに記載のマンションは一般的な分譲マンションのことを指しているように思われます。)、広大地の検討も可能かもしれませんが、あくまで「マンション等」であり、その場合は5階建てショッピングセンターは「等」の中に含まれ、一体利用が合理的な広大地であり、開発道路等、土地の減価要因となる公共公益的施設の負担も生じないことから、広大地とは認められないと否認される可能性があります。

この他、3階建以上の賃貸住宅も否認要件であることから、類推適用により、ショッピングセンターでも5階建ては広大地適用不可とされる可能性もございます。

但し、明らかにショッピングセンターとしての利用が地域の標準的利用と不自然だと考えられる地域内の土地の場合は、是認される可能性もあるかと思いますので、当初申告は通常申告とし、更正の請求により広大地適用を主張するという方法も実務的には考えられる土地だと思います。

広大地の適用についでです。相続開始時には駐車場ですが、その時点でアパート建築契約が締結されており潰れ地は生じません。この場合でも広大地評価できると考えますが如何でしょうか。他の要件は満たしてます。

広大地適用の可否は相続開始時点で判断するのが原則ですので、相続開始時点で締結されているアパート建築契約は広大地否認要件とは通達上はなりません。

ところが、実務上、税務署毎に判断が割れるケースがあるようで、広大地適用可否判定につき、税務署員が実際に現場を訪れた時は、既にアパート建築工事に入っていたという状況も考えられるところであり、この場合、広大地適用否認の可能性も出てまいります。

あくまで他の要件を満たしているとのご質問者のお話を前提として回答しておりますが、より安全性を確保するのであれば、広大地否認可能性の考えられるアパート建築契約は解約するか、工事を延期し、申告是認後の建築開始とした方が宜しいかと思います。

なお、2階建のアパートは基本的に問題とはなりませんが、3階建以上は広大地適用上、極めて危険です。

これは、中高層建築物を3階建以上と当局が回答しているためです。

いずれに致しましても、アパート建築のみならず戸建開発でも潰れ地が生じない土地は多々あり、本回答はあくまで戸建開発における潰れ地が100%生じる土地として回答しております。

ご理解をお願い致します。

広大地の適用は厳しいですか。500ヘイベー以上の土地で、広大地の適用ですが、600ヘイベーほどしかありません。

対象地の所在地が分かりませんので、何とも言えませんが、三大都市圏にある土地と仮定致しますと、広大地適用の可能性はございますという回答となります。

但し、広大地の適否は面積要件ならず、潰れ地が生じる土地であることも必要であり、面積要件よりもむしろ難関な要件です。

この他、マンション等の開発を了していない土地等の要件もございますので、正確な広大地判定には16・17年情報、質疑応答、広大地フローチャートを詳細に渡り吟味しなければならないことを申し上げておきます。

広大地の適用が出来た土地は相続人3名での相続も可能ですか?教えて下さい。

広大地適用の可否により、相続の可否が決定するわけではございません。

あくまで財産評価基本通達24-4広大地の規定に、相続税対象地が該当するかが問題となります。

なお、遺産分割の問題は別の問題となります。

但し、遺産分割でうっかり分筆してしまわないように注意が必要です。

といいますのも、遺産分割には遡及効があり、相続開始時点に遡って有効とされてしまい、広大地適用可能な土地が広大地適用困難となるケースもございます。

この場合は、高額の相続税負担が生じますので、遺産分割を実施する場合は慎重に実行して下さい。

広大地について質問です。広大地評価が可能だとした仮定で、このまま相続すれば、広大地評価が可能です。孫などに一部贈与などして持ち分になった場合、広大地評価は受けれないのでしょうか?

広大地適否に関し、持分割合は問題となりませんので、広大地評価は原則可能です。

但し、持分部分を分筆してしまうと広大地評価は困難となります。

孫などに一部贈与と言うことから生前贈与のケースですが、この場合は、取得者単位が評価単位となり、分筆後の各土地について、広大地判定を実施することとなります。

よくご質問のあるケースですが、土地の分筆はくれぐれも慎重に実施するようお願い致します。

相続時の土地評価額について、「広大地の評価」を適用した際、さらに「市街地農地等の評価」を適用することが可能か知りたい? 対象の土地は市街化区域にあり、この田は農地で55mX30m、一路線です。

選択適用ということでしたら、市街地農地、市街地周辺農地いずれも可能ですが、宅地造成費を広大地適用後、更に控除出来るかと言うことでしたら、不可です。これは広大地の補正率の中に、宅地造成費が含まれているからです。

以下が説明となります。

広大地と宅地造成費の説明

広大地と宅地造成費の重複適用は出来ません。 根拠は、平成16年6月29日付資産評価企画官情報第2号、資産課税課情報第10号です。 以下該当箇所を抜粋致します。 「なお、市街地農地等を広大地として評価する場合には、広大地補正率の中に宅地造成費等を考慮してあることから、通達上造成費については控除しないで評価することになる点に留意が必要である。」

広大地と市街地農地、市街地周辺農地選択適用の説明

結論:広大地【財産評価基本通達24-4】と市街地農地【財産評価基本通達36-4】との選択適用は出来ます。

理由:市街地農地【財産評価基本通達36-4】とは以下のとおり規定されています。

(市街地農地の範囲)

36−4 市街地農地とは、次に掲げる農地のうち、そのいずれかに該当するものをいう。(昭45直資3-13追加、平3課評2−4外・平11課評2−12外・平22課評2-18外改正)

(1) 農地法第4条≪農地の転用の制限≫又は第5条≪農地又は採草放牧地の転用のための権利移動の制限≫に規定する許可(以下「転用許可」という。)を受けた農地

(2) 市街化区域内にある農地

(3) 農地法等の一部を改正する法律附則第2条第5項の規定によりなお従前の例によるものとされる改正前の農地法第7条第1項第4号の規定により、転用許可を要しない農地として、都道府県知事の指定を受けたものまた、評価方法は以下のとおり規定されています。

(市街地農地の評価)

40 市街地農地の価額は、その農地が宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額からその農地を宅地に転用する場合において通常必要と認められる1平方メートル当たりの造成費に相当する金額として、整地、土盛り又は土止めに要する費用の額がおおむね同一と認められる地域ごとに国税局長の定める金額を控除した金額に、その農地の地積を乗じて計算した金額によって評価する。ただし、市街化区域内に存する市街地農地については、その農地の固定資産税評価額に地価事情の類似する地域ごとに、その地域にある農地の売買実例価額、精通者意見価格等を基として国税局長の定める倍率を乗じて計算した金額によって評価することができるものとし、その倍率が定められている地域にある市街地農地の価額は、その農地の固定資産税評価額にその倍率を乗じて計算した金額によって評価する。(昭41直資3−19・昭45直資3−13・昭47直資3−16・昭和48直資3−33改正)

(注) その農地が宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額は、その付近にある宅地について11≪評価の方式≫に定める方式によって評価した1平方メートル当たりの価額を基とし、その宅地とその農地との位置、形状等の条件の差を考慮して評価するものとする。

(広大な市街地農地等の評価)

40−2 前2項の市街地周辺農地及び市街地農地が宅地であるとした場合において、24−4((広大地の評価))に定める広大地に該当するときは、その市街地周辺農地及び市街地農地の価額は、前2項の定めにかかわらず、24−4の定めに準じて評価する。ただし、市街地周辺農地及び市街地農地を24−4の定めによって評価した価額が前2項の定めによって評価した価額を上回る場合には、前2項の定めによって評価することに留意する。 (平16課評2−7外追加)

(注) 本項の適用を受ける農地が市街地周辺農地である場合には、24−4の定めに準じて評価した価額の100分の80に相当する金額によって評価することに留意する。

従って、

市街地農地】 : 【財産評価基本通達40による価額】と【広大地適用による価額】とを比較し、いずれか低い価額を適用

市街地周辺農地】 : 【財産評価基本通達40による価額×80%】と【広大地適用による価額×80%】とを比較し、いずれか低い価額を適用 となります。

先の純農地・中間農地と異なり、市街地農地の場合、農地転用が許可された農地もしくは許可不要の農地であり、広大地【財産評価基本通達24-4】要件である戸建分譲開発可能な土地である場合もあります。 市街地農地の定義に該当するような土地は都市計画法における開発許可が取得可能もしくは将来的に可能な場合があり、結果として選択適用出来るということとなります。

なお、市街地農地であることの確認には、役所調査(農業委員会、開発指導課等)が必須となります。

相続で、広大地の対象になるのですが、申告書の提出期限が迫っているのと、相続人の分割の問題で取りあえず、広大地の適用なしで相続税を払い済ませたあとで、相続の申告を修正することはできるのでしょうか?

更正の請求により可能です。

但し、広大地の適用可能性は当初申告と比較すると確率が低くなるとも言われておりますので、出来れば当初申告での広大地適用が望ましいです。

なお、国税当局が当初申告と更正請求との広大地適用率を公表している訳ではございません。

あくまで申告を代理した税理士等の専門家の感想の範囲です。

また、税務署毎に広大地適用可否が異なるとも言われております。

相続税の土地評価で、500m2以上の青空駐車場は、減額されると聞きましたが、どのように減額されるのか教えて下さい。私の父が、亡くなり父の遺産は、青空駐車場が、ほとんどです。少しでも、相続税が、少なくてすむ方法が知りたいです。

500㎡以上の青空駐車場であれば、否応なしに減額されるわけではありません。16・17年情報、広大地フローチャート等要件を考慮し、財産評価基本通達24-4広大地の規定に該当する土地と税務当局が認めれば、広大地補正が可能となります。

広大地補正率に関しましては、国税庁ホームページにも掲載されておりますが、まとめますと以下のとおりとなります。

広大地補正率=0.6−0.05×地積÷1000(端数処理はせず)


地積毎に見ますと、以下のとおりです。


地積
広大地補正率
500㎡
0.575(=57.5%。つまり42.5%割引)
1000㎡
0.550(=55.0%。つまり45.0%割引)
2000㎡
0.500(=50.0%。つまり50.0%割引)
3000㎡
0.450(=45.0%。つまり55.0%割引)
4000㎡
0.400(=40.0%。つまり60.0%割引)
5000㎡
0.350(=35.0%。つまり65.0%割引)


地積が大きくなればなるほど、割引率も大きくなりますが、これは開発行為により生じる開発道路・提供公園・緑地等の売却不能部分の面積が大きくなることに起因します。

ところで、平成16年6月29日資産評価企画官情報第2号、資産課税課情報第10号によれば、この広大地補正率の算出に関しては、収集した不動産鑑定評価事例を基に、1㎡当たりの不動産鑑定評価額が正面路線価に占める割合と評価対象地の地積との関係を統計学の手法(最小二乗法による回帰分析)を用いて分析・検討を行い、評価の簡便性や安全性にも配慮して上記算式にて評価することとした旨の記述があります。

つまり、広大地補正率は、不動産鑑定評価によるところの個別格差がベースとなっていることになります。


広大地判定に何故不動産鑑定士が関わるのか。
その要因は、上記16年情報にあるのです。

但し、不動産鑑定士が関われば、面積要件のみ満たした土地全てが広大地に該当する訳ではありません。

他の要件に関しても、当然吟味する必要があります。

相続税の還付請求についての質問です。 還付できた場合のみ報酬を払うケースがほとんどですが、何か落とし穴があるような気がしてなりません。もし専門の方がおられましたらご意見下さい。

うまい話には棘があると教えられて人間は生きておりますので、成功報酬と言われれば、身構えてしまうという心理は理解出来ます。

しかしながら、広大地による相続税還付に関しては、いわゆるうまい話とは別物とご理解いただければと思います。

通常相続税申告は税理士の先生にお願いすることが一般的ですが、税理士の先生にも得意不得意の分野があり、税理士の先生全員が相続税を得意としている訳ではありません。

むしろ、統計上、税理士の先生が相続税に携わる件数は平均すると年間1件にも満たないと言われおり、殆ど相続税の実務経験がないという先生も沢山いらっしゃいます。

現行の広大地の規定は平成16年に誕生したもので、広大地の規定自体をご存じない税理士の先生もいらっしゃるかと思います。

仮に、広大地の規定自体をご存じない税理士の先生が相続税申告をなさった場合は、広大地を適用出来る土地であるにもかかわらず、適用していないこととなり、そのような土地を更正の請求により広大地として認めていただけるようにするだけですので、いわゆるうまい話でないことはご理解いただけるかと思います。

うまい話と考えられるのはとにもかくにも税率が高率、広大地補正率も減額率が高率、還付される額も高額に上ることからだと思います。

これが更正の請求で1万円戻りますということだと、うまい話とはお思いにはならないでしょう。

広大地評価判定センターではご要望でしたら、広大地判定意見書による相続税還付サービスもご提供致しますので、ご相談いただければと思います。

完全成功報酬制にするか、更正の請求の認否に関わらず、定額制とするかはお客様と事前にお打合せさせていただきます。

相続財産の宅地に関し、それが広大地に該当するか否か、判断に迷っています。下記の通りの状況ですが、アドバイスいただければと思います。

<宅地現状>

・3大都市圏にあり、面積は530m2です。(すぐ裏には、同じく相続財産で、450m2の宅地もあります。)

・周りの状況は、住宅地で、周りには、マンションも工場もなく、敷地の面積は多少の大小はあると思いますが、400-600m2と思います。(高級住宅街というほどではありませんが、郊外の新しい住宅地で、戸建て住宅が前後左右に並んで立っています。)

・前の道幅は、4-5メートルあり、道に接している長さは、20メートルほどです。正面20メートルで、奥行き25メートルの土地で、横、裏はほかの住宅に接しています。(道に接しているのは1方向のみ)

・見たところ、500m2というのは、思ったより狭く、間に道を通す必要もなく、なにがしかの施設を造る必要もない、と考えられます。


<質問1>

・上記のような状況でも、「広大地」に該当する可能性があるのでしょうか?


<質問2>

・「広大地」に該当する可能性があるとすると、その土地の有効な利用方法は、たとえば、その土地に家を「2戸建てる」というようなことがあるかと思うのですが、その確認方法は何かあるのでしょうか?(たとえば、鑑定評価や不動産業者の証明など?)


非常に基本的な質問と思うのですが、その判定により評価も大きく変わってきますので、ご意見、アドバイスいただけると幸甚です。よろしくお願いします。


広大地評価判定センター回答

<質問1>への回答

ズバリ、グレーゾーンです。3大都市圏と言うことで500㎡以上が開発許可必要面積だと仮定致しますと、奥行が25mの場合、敷地延長による区画割で区画分割が可能な場合があり、 この場合は広大地適用が否認されます。

但し、開発行為には最低敷地面積が取り決められております。

最低敷地面積が小さければ小さい程、奥の土地も宅地として利用した方が開発業者は儲かりますので、その場合は開発道路を新設する必要が生じ、結果、広大地適用が認められる可能性もあります。

例えば東京都某区などは最低敷地面積が70㎡ですので、530㎡の土地でも6区画取れる可能性があり、広大地適用可能性も高まります。

一方、最低敷地面積が165㎡などという地域もあり、この場合は3区画しか取れないため、ほぼ広大地否認だと思います。

とにかく、役所調査が重要です。


<質問2>への回答

広大地評価判定センターでは、広大地判定に豊富な経験を有する不動産鑑定士が「広大地判定意見書」を作成し、お役に立たせていただいております。

「広大地判定意見書」の構成は約7割程度は不動産鑑定評価書と同様とし、広大地適否に重要となる標準的使用、最有効使用を決定、最後に広大地フローチャートに対象地の状況を当てはめ、最終的に広大地と判定した旨を記載した意見書となります。

国家資格者であり、税務当局からも専門性を認められている不動産鑑定士が署名押印をし、さらに国家資格者である土地家屋調査士の先生が作成した開発想定図を意見書に添付し、より客観性、専門性を追求した意見書ですので、ご検討いただければ幸いです。

但し、質問1への回答にもありますとおり、最低敷地面積が165㎡等と大きい場合は危険ですので、広大地適用断念もしくは通常申告後、更正の請求により対応致します。

実勢と余りにもかけ離れた路線価の場合は

質問

私の持っている山林は実勢価格が坪5万円ですが、相続の計算では倍率方式ではなく路線価を適用される地域に属していて、平方メートル@7万円です。

路線価では坪23.1万円。実に実勢価格の4.62倍にもなります。 余りにも不当であると思いますが、税務署に申し立てるなりして路線価を修正してもらう方法はないものでしょうか?

回答

路線価が適用されているということは市街地山林である可能性が高く、この場合は宅地造成費も控除出来ます。

傾斜がきつければきつい程、控除額が大きくなりますので、それでも明らかに実勢価格より高いということでしたら、不動産鑑定士による不動産鑑定評価書による申告もご検討されていいかも知れません。

また、市街地山林でも財産評価基本通達24-4広大地適用が可能な土地もあり、その場合は山林の面積にもよりますが、路線価の半分程度にはなります。

なお、いずれの方法も税務当局に否認される可能性はありますので、否認されるリスクをご検討の上、ご依頼される方が賢明です。

この他、傾斜度が30度を超える場合は純山林として評価可能な場合もあり、この場合は路線価の5%以下になるかと思います。

広大地評価判定センターでは、純山林としての評価が妥当である旨の「市街地山林意見書」もご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

ところで、路線価の修正は実務上不可能と言っていいと思います。

財産評価基本通達、不動産鑑定評価基準を駆使する方が現実的です。

広大地の評価というものはどの不動産鑑定士さんにもできるものでしょうか?

ご質問の「広大地」ですが、この言葉には2つの意味があります。 つまり、 (1)広大な土地という意味での「広大地」 (2)相続税財産評価基本通達24-4に規定されている「広大地」 です。 (1)は、単純に広くて大きな土地という意味ですので問題はないかと思います。 こういう土地の不動産鑑定評価に関しては、不動産鑑定士の殆どが対応可能だと思います。 問題は(2)です。 (2)の相続税財産評価基本通達24-4に規定されている「広大地」とは、以下のとおりとなります。(国税庁HPより) 広大地とは、その地域における標準的な宅地の地積に比べて著しく地積が広大な宅地で、都市計画法第4条第12項に規定する開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるものをいいます。ただし、大規模工場用地に該当するもの及び中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているものは除きます。 (注) 1 都市計画法第4条第12項に規定する開発行為とは、主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更をいいます。 2 公共公益的施設用地とは、道路、公園等の公共施設及び教育施設、医療施設等の公益的施設の用に供される土地をいいます。 3 大規模工場用地とは、財産評価基本通達22-2に定める土地をいいます。 4 広大地は、戸建住宅分譲用地として開発され、道路等の公共公益的施設用地が生じる宅地を前提としていますが、その宅地について、経済的に最も合理的であると認められる開発行為が中高層の集合住宅等を建築することを目的とするものであると認められるものは、いわゆるマンション適地として広大地に該当しないものとされています。 (2)評価方法 広大地の価額は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次により計算した金額によって評価します。 (1) 広大地が路線価地域に所在する場合 広大地の価額=広大地の面する路線価×広大地補正率×地積 広大地補正率=0.6−0.05× 広大地の地積/1,000 (2) 広大地が倍率地域に所在する場合 その広大地が標準的な間口距離及び奥行距離を有する宅地であるとした場合の1当たりの価額を、上記(1)の算式における「広大地の面する路線価」に置き換えて計算します。 (注) 1 上記(1)の広大地の面する路線価が2以上ある場合には、原則として、最も高いものを採用します。 2 広大地として評価する宅地は、5,000以下の地積のものとされています。したがって、広大地補正率は0.35が下限となります(地積が、5,000を超える広大地であっても広大地補正率の下限である0.35を適用して差し支えありません。)。 3 広大地補正率は端数整理を行いません。 (評基通22-2、24−4) 簡単に言ってしまいますと、相続税額算出に関して、上記条件を満たす「広大地」なら、大幅に相続税を安く出来ますよということになります。 (2)の「広大地」に該当する可能性がある場合は、実務上、不動産鑑定士が(2)の「広大地」に該当する旨を説明した「広大地判定意見書」のような書類を作成し、相続税申告等の際に添付しています。 この「広大地判定意見書」を作成している不動産鑑定士はあまりおりません。 これは、この「広大地」の規定が平成16年に施行された新しい規定であり、不動産鑑定評価基準に記載されている評価方法ではなく、あくまで国税庁の基本通達であるため、多くの不動産鑑定士に浸透していないこと等が理由だと考えます。 また、意見書ですので、不動産鑑定評価書とは違い、法的効力のある書面ではありません。 ちなみに神奈川鑑定(フリーダイヤル0120-554-574)ではこの「広大地判定意見書」を作成しておりますので、ご相談いただければ対応させていただきます。 なお、(2)の「広大地」は上記のように各種要件をクリアする必要がございますので、土地によって「広大地」とならないケースが多々ございます。 ご理解の程、宜しくお願い申し上げます。

生産緑地に指定されている土地に広大地適用は可能ですか?

可能です。 なお、広大地の規定適用後、生産緑地による利用阻害に伴う評価減も可能ですのでご留意下さい。 最低でも評価額が5%落ちます。

広大地として申告しようとしている土地の上空に、送電線があります。広大地適用後、区分地上権に準ずる地役権として減価可能ですか?

可能です。つまり重複適用可能です。送電線架設会社との間で、地役権設定契約もしくは債権契約を締結されているはずですので、広大地申告予定地内の契約数量分について、財産評価基本通達27-5を適用して下さい。なお、契約内容についても吟味が必要です。建築禁止か否かで減額割合も異なります。

不動産鑑定士さんに広大地に関する意見書を作成してもらえば、100%申告是認となるのですか?

100%の是認は不可能かと思われます。

広大地適用の決定権者は税務署ですので、外部の第三者である不動産鑑定士には、決定権限はありません。

但し、不動産鑑定士は国家資格者で、路線価、精通者意見、国税差押不動産評価等、国税当局と共同で作業する場面も多々あることから、職業専門家としての一定の地位を国税当局に認められております。

広大地補正率も不動産鑑定評価書における格差率から算出された経緯がございます。

従って、不動産鑑定士の作成する広大地判定意見書に関しても、一定の信頼が置かれているものと判断出来るかと思います。

16年情報には「周囲の状況や専門家の意見等から判断して、明らかにマンション用地に適していると認められる土地を除き、戸建住宅用地として広大地の評価を適用することとして差し支えない。」との記載がございますが、ここにいう専門家の一人が不動産鑑定士であると言えます。

よって、不動産鑑定士の作成する広大地に関する意見書は、広大地の可能性をより高める書面という認識をお持ちいただければと思います。

相続に当たっての土地評価額算出法ですが、広大地補正率を採用した場合、奥行価格補正率も一緒に掛けていいのでしょうか?それとも他の補正率は一切重複使用しないことが原則でしょうか?

広大地を適用した場合の重複適用の可否に関しましては、下記URLにてご説明しております。

参考URL:広大地と重複適用の可否

奥行価格補正は財産評価基本通達15に該当致しますので、広大地との重複適用は出来ません。

重複適用可能なのは、

・高圧線下地(区分地上権に準ずる地役権)

・都市計画道路予定地

・生産緑地

・利用価値の著しく低下している宅地

・自宅敷地についての小規模宅地等の特例

などです。

相続についてです。

【ご質問】

相続についてです。 広大地評価というのがあると思います。 路線価9万円で畑が5000m2ある場合、相続税はどうなるのでしょうか? ちなみに父親の相続のあとで現在は母親と子供二人の3人で1/3づつの共有名義にしてあります。

【広大地評価判定センター回答】

利用状況、面積から見ますと、財産評価基本通達24-4広大地の是認可能性はございます。

共有名義ですので、利用区分の問題は生じません。

従って、共有名義だから広大地適用不可と言うことにはなりません。

しかしながら、広大地判定において、面積要件のみでは不十分であり、マンション適地か否か、開発想定における公共公益施設用地の負担発生の可否、つまり、開発道路、提供公園等、売却不能部分が生じる土地であるのか否かの検討が必要となります。

なお、5,000㎡ですと最大限の減額幅(減額率65%)が認められますので、通常申告と比較すると、相続税自体は半額超で済みます。

自宅が1,000㎡以上ある土地です。広大地の規定は使えますか。また小規模宅地等の特例も広大地の規定と重複して使えますか。ちなみに市の開発許可必要面積は500㎡以上です。

ご自宅敷地への広大地適用は問題なく使えます。

また、小規模宅地としての要件を備えているならば、広大地の規定と重複適用出来ます。

相続税の小規模宅地等の特例が受けられる事例は、下記の通りです。

・「被相続人の自宅の敷地」を「同居の親族が取得」した場合に、その親族が申告期限まで引続き売却をしないで居住していたとき

・「被相続人の事業所の敷地」を「親族が取得」した場合に、その親族が申告期限まで売却しないで事業を継続していたとき

2つの要件とは

小規模宅地等の特例は、被相続人等の居住用や事業用の宅地等(借地権を含む)で一定の要件に該当するものについて適用が受けられます。従って、要件は下記の2つです。これらの要件のいずれも満たしていなければ適用は受けられません。

1.相続開始直前の利用状況

2.取得者 相続開始直前の利用状況 相続開始直前の利用状況の要件は、被相続人等

※1の居住用又は事業用

※2の建物又は構築物の敷地として利用されていたことです。例えば、被相続人の 自宅・アパート・貸駐車場(アスファルト、砂利)・事業所の敷地です。

従って、別生計の子の居住用・事業用の宅地や空き地では適用は受けられません。

※1 被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族を含む

※2 事業には、不動産賃貸事業や特定同族会社

※3の事業を含みます。

※3 相続開始直前に被相続人及び親族その他特別の関係がある者が有する株式の総数が発行済株式の総数の50%を超える法人 取得者 被相続人の自宅の敷地を別居の子(持ち家)が取得した場合には、この特例が受けられない! 被相続人の自宅の敷地を別居の子(持ち家)が取得した場合には、この特例が受けられない!

相続開始直前の利用状況毎の要件を満たす取得者は下記の通りです。なお、いずれの取得者も相続税の申告期限(相続開始から10ヶ月後)までに宅地等を取得して、利用(居住又は事業)・所有継続することが必要です。

1.被相続人の居住用

(1)配偶者 ※1

(2)相続開始前から同居の親族((1)を除く) 

(3)賃貸住宅に住んでいる親族 ※2

※1 取得すれば要件を満たします。利用(居住)・所有継続の要件はありません。

※2 厳密には、配偶者又は相続開始直前に同居の法定相続人がいない場合において、相続開始前3年以内に日本国内にあるその者又はその者の配偶者の所有する家屋に居住したことがない人です。この人は、居住しなくても所有していれば要件を満たします。

2.被相続人の生計一親族の居住用 (1)配偶者 上記1(1)と同じ (2)その生計一親族  

3.被相続人の事業用又は被相続人の生計一親族の事業用 (1)被相続人の事業用は、親族 (2)被 相続 人の生計一親族の事業用は、その生計一親族

4.特定同族会社の事業用 親族(申告期限までにその会社の役員になっていること)

限度面積と減額割合 上記の要件を満たせば、それぞれ下記の減額があります。

上記1及び2・・・特定居住用宅地等(240平米まで80%減額)

上記3(不動産賃貸事業※を除く)・・・特定事業用宅地等(400平米まで80%減額) ※不動産賃貸事業・・・貸付事業用宅地等(200平米まで50%減額) 上記4・・・特定同族会社事業用宅地等(400平米まで80%減額)

申告期限までに取得者が決まらない場合 申告期限までに取得者が決まらない場合であっても、下記のいずれかに該当することになったときは、この特例の適用が受けられます。 1.相続税の申告期限から3年以内に取得者が決まらない場合

2.相続税の申告期限から3年を経過する日において取得者が決まらないやむを得ない事情(例.裁判中)があり、税務署長の承認を受けた場合で、その事情がなくなった日の翌日から4か月以内に取得者が決まったとき

広大地の判定をお願いしたいと思います。場所は四国ですが対応可能ですか?

広大地評価判定センター所在地は神奈川県横浜市ですので、交通費、宿泊費が別途発生致しますが、当該費用負担をご納得いただけましたら、ご対応可能です。

なお、一旦は無料で机上判定を致しますので、物件資料をFAXもしくはメールもしくは着払いご郵送等でお送り下さい。

その後、広大地判定意見書を提出する有効性が確認出来ましたら、費用のお見積りをさせていただき、ご了解後、作業着手となります。

また、相続人の方で、税理士の先生に申告・還付をお願いされている場合は、税理士先生のご了解を事前に得ていただければと思います。

税理士と不動産鑑定士が連携する必要がございますので、ご理解をお願い致します。

広大地判定意見書は必ず添付しなければいけないのですか。

いえ、違います。

広大地判定意見書は不動産評価の専門家で、国税当局に一定の地位を認められている不動産鑑定士が作成するものですが、あくまで意見書の範疇に留まりますので、広大地での申告毎に必ず添付しなければいけない書面ではございません。

しかしながら、資産評価企画官情報、資産課税課情報において、「周辺の状況や専門家の意見等から判断して、明らかにマンション用地に適していると認められる土地を除き、戸建住宅用地として広大地の評価を適用することとして差し支えない。」とされており、専門家(不動産鑑定士も該当します。)の意見を書面で具申するために、広大地判定意見書が利用されております。

例えば口頭で、「あの鑑定士がマンション適地ではないと言っていた。」と国税当局に具申したところで、口頭のみでは説得力に欠けますので、書面にすることにより専門家としての意見を具体化させております。

父は市街化区域に1,200㎡の宅地を所有しており、その宅地の上に6階建賃貸マンションを所有しています。仮に相続が発生した場合、このマンションの敷地は広大地の評価が可能でしょうか。

既に開発行為を了している中高層のマンション等の敷地用地は、評価基本通達24-4でいう「広大地」には該当しません。 中高層のマンションの敷地の用に供されている宅地など、現に広大な宅地として一体的に「最有効」利用されている建築物の敷地については、更に開発を行う必要性がありませんから、たとえ標準的な地積に比べて著しく広大な宅地であったとしても原則として評価基本通達でいう「広大地」には該当しません。

広大地と奥行距離の関係を教えて下さい。

土地は一つとして同じものがございませんので、画一的に考えるのは危険ではありますが、一つの目安はございます。

広大地評価判定センターの目安は以下の通りです。但し、地域の状況等により見解も異なりますので、事前に住宅地図、公図等、対象不動産を確定可能な資料をご送付(宅急便、メール、FAX等)いただければ、無料で解説致します。なお、料金負担は、広大地判定意見書書面作成のご依頼を頂戴致しました時から発生致します。

・奥行25m未満・・・原則広大地適用困難だと思います。例外的に、ミニ開発の多い地域、形状の悪い土地、間口が極端に狭い土地等は可能性がございます。

・奥行25m以上〜30m未満・・・原則グレーゾーンです。東京都区部など、最低敷地面積が小さい土地などはより可能性が高くなります。

・奥行30m以上・・・原則安全だと思います。路地状部分を20m程度確保する必要が出て参りますので、流動性、防災安全性の側面から最も経済的に合理的とは言えない土地です。

なお、上記はいずれもマンション適地や既に開発を了している土地では、あてはまりません。あくまで、公共公益的施設用地が開発行為により必要となる土地であることに対する判定ですので、マンション適地や既に開発を了している土地等の判定は別途実施する必要があります。

広大な畑を所有していますが、建築基準法上の道路に接面していません。路線価は自宅敷地を介して付設されています。この畑に広大地の規定は適用出来ますか?

結論から申し上げますと、広大地適用出来ます。

不動産関連業に携わる方からすると、猛烈な違和感をお感じになられるかと思いますが、財産評価基本通達上、つまり、相続税財産評価上は適用可能です。

実務的には、路線価の付設されている道路から開発道路を築造想定し、区画割図を作成することとなります。

建築基準法上の道路に接面していないのに、どうして開発想定が可能なんだ?と疑問に思われる気持ちはごもっともで私も猛烈な違和感を感じている人間の一人ですが、あくまで相続税の財産評価は世を忍ぶ仮の規定ですので、相続税財産評価は特殊な評価方法だと割り切って理解していただいた方が宜しいかと思います。実際の売買を想定するとこの違和感は拭えません。

なお、現状は建築基準法上の道路でなければ路線価は振られないことのようで、開発道路の引込は路線価敷設道路より築造想定する必要があります。

また、財産評価基本通達上、広大地と無道路地の重複適用は認められておらず、反対解釈をすれば、無道路地で広大地の場合は、広大地の規定を使えと言うこととなります。

広大地とパチンコ店について

ご質問

現在パチンコ店の敷地として利用されている土地について、広大地の規定は利用可能ですか?

回答

ケースバイケースです。パチンコ店は幹線道路沿いであることが多く、また用途地域も低層、中高層の住居地域では建築物の用途制限により原則建築不可ですので、対象地が広大地の要件である、「開発道路新設後の宅地分譲開発が最有効使用」と言えるかは、微妙だと思われます。

但し、即決で否認されるわけではございませんので、周辺の開発状況等の調査が大変重要となります。宅地、戸建分譲が見られるか否かがポイントです。

広大地の他に、生産緑地、送電線(地役権)の3つ同時適用は可能ですか?

可能です。生産緑地、送電線(地役権)の3つ同時適用は何ら問題はございません。

イメージとしては、高圧線が上空を通過する市街化区域の2,000㎡の畑などが該当するかと思いますが、生産緑地であるがゆえに地役権の減価が認められない理由もなく、地役権であるがゆえに生産緑地の減価が認められないということでもありません。広大地も同様です。

ですので、重複適用が認められない規定以外の要因で重複しても何ら適用に影響を与えるものではないということが言えます。

750㎡程度、四方路の土地ですが、不動産業者による査定額が相続税路線価により計算した額よりもかなり低く、このまま相続税申告するのも納得がいきません。広大地の規定を利用する等、何かいい方法はないですか?

机上役所調査を致しましたところ、対象地の開発許可面積は500㎡以上でしたので、広大地の面積要件はクリアしております。

しかしながら、四方全てが建築基準法上の道路であることが分かり、敷地内に開発道路を新設することなく路地状開発を組み合わせれば開発可能な土地でありますので、残念ながら、広大地の規定は利用出来ません。

また、不動産業者さんの査定書は国税当局が有効な資料とは認めない傾向が極めて高く、否認リスクが生じてしまいますので、お勧め出来ません。

なお、売買金額の妥当性を証明するのならば、不動産鑑定士による不動産鑑定評価書が有効な資料となりますが、相続税の場合、財産評価基本通達により算出した価格が時価であると国税当局がアナウンスしている以上、不動産鑑定評価基準により算出した不動産鑑定評価額は、価値が劣ります。

従いまして、否認リスクを考慮すれば、今回は相続税路線価により算出した額での申告が安全かと思います。私見を申し上げれば、いくら路地状開発が可能とは言え、敷地規模が明らかに大きい土地は、「地積過大」の要因がありますので、この要因が広大地の規定にしか反映されていない財産評価基本通達は少々問題があるものと感じております。

広大地の減価は、総額が張ることにより、需要者が限定され、単価が下落する概念である「地積過大」と対象地内に道路等新設により、有効宅地部分が減少する「有効宅地化率」の2要因で形成されているはずですが、「地積過大」の要因は、広大地の規定が利用出来ない土地の場合、全く考慮されない要因となっており、不合理です。

この他、無道路地における市場性も相続税価格に反映出来ない要因となっております。

広大地と小規模宅地の特例の併用は出来ますか?

出来ます。(東京国税局無料電話相談にて確認済)

広大地と小規模宅地の特例の併用は可能です。

そもそも、広大地の規定は潰れ地発生から生じる減額規定であり、小規模宅地の特例との因果関係はないからです。

また、財産評価基本通達の中で、広大地との重複適用不可事項につき記載がございますが、小規模宅地の特例の記載はなく、

小規模宅地の特例自体が財産評価基本通達によるものではないからです。

但し、小規模宅地の特例適用は、相続又は遺贈に限られるようです。

国税庁ホームページには以下の質疑応答の記載がございます。 

【照会要旨】  平成○年中に甲は父から貸家建付地の敷地(276平方メートル)の持分2分の1の贈与を受けましたが、同年中に父が死亡しました。  この場合、その贈与により取得した土地の価額は贈与税の課税価格に算入されずに、相続税の課税価格に加算されることになります(相法19)が、この土地について小規模宅地等の特例を適用する場合には、甲が贈与を受けた持分に対応する面積を含めて200平方メートルまで適用することができると考えて差し支えありませんか。 (注) 甲は父から遺産を相続しています。 

【回答要旨】  小規模宅地等の特例が適用される財産は、個人が相続又は遺贈により取得した財産に限られています(措法69の41)。  したがって、甲が贈与を受けた土地の持分は相続又は遺贈により取得したものではありませんから、その贈与を受けた財産の価額が相続税法第19条の規定により相続税の課税価格に加算されたとしても、その贈与を受けた財産については小規模宅地等の特例の適用はありません。  また、甲が贈与を受けた土地の持分について相続時精算課税を適用する場合も、その土地の持分は相続又は遺贈により取得したものではありませんから、その贈与を受けた財産については小規模宅地等の特例の適用はありません。 

【関係法令通達】  租税特別措置法第69条の4第1項  租税特別措置法関係通達69の4−1 以上から、相続時精算課税制度利用では重複適用困難かと存じますが、詳細は最寄りの税務署若しくは 税理士の先生にお尋ね下さい。

無道路地でも広大地は適用出来ますか?|広大地評価判定センター

無道路地でも広大地適用出来ます。

路線価がある道路から、無道路地へ開発道路新設を想定することで開発想定図も作成出来ます。

但し、広大地におけるその他の要件は別途クリアする必要がございます。

相続税の土地評価(広大地)についてお尋ねします。


相続税の土地評価(広大地)についてお尋ねします。広大地に該当する土地かどうか調べるのに何かよい方法はありますか? 条件の中に容積率などとあり、自分で判断するのは難しいと思いました。市役所などで「ここは広大地になりますか?」と言うようなダイレクトな聞き方をして教えてもらえるようなことなんでしょうか?

広大地評価判定センター回答

広大地の規定はあくまで相続税・贈与税に関する規定ですので、市役所等とは直接関係がありません。財産評価基本通達24-4「広大地」の規定を適用するには各種要件をクリアする必要がありますが、この各種要件のあてはめは、対象物件の現地調査、役所調査を全て完了した上で明らかにすべきものです。従いまして、まずは不動産の基礎調査である現地調査、役所調査を徹底的にする必要がございます。その作業が完了した段階で、要件当てはめを行い、微妙な場合はどうするのか、申告で行くのか更正の請求で行くのか、開発想定はどのようにするのか等、詳細を詰めていくこととなります。ですので、ちょっと調べればすぐに広大地だと分かるようなものではございません。税額が何千万も変わる可能性があるのですから、慎重を期す必要があります。

広大地判定の料金はいつの時点で発生するのですか?

広大地判定意見書の作成依頼を頂いた時からです。従いまして、意見書の作成依頼をするかお迷いになっている状況では料金は発生致しません。書面として発行するようご指示をいただいた時からとなります。

広大地の机上判定とはどのようなことをおやりになるのですか?

頂いた物件資料(ご郵送、ファックス、メールPDF)を基に、インターネットで調査できる範囲内で机上で広大地判定を致します。従いまして、口頭での回答となります。その後、意見書が必要とご判断された場合に、正式に広大地判定意見書の作成ご依頼をお申込みいただき、不動産鑑定士が現地調査、役所調査等、一級建築士が開発想定図を作成する作業に入ります。また不動産鑑定士は、対象地周辺の開発登録簿を複数取得し、現地調査を行い、開発現場の写真も含めて広大地判定意見書が完成することとなります。

広大地と貸家建付地の併用は可能ですか?

東京国税局無料電話相談にて確認したところ、広大地と貸家建付地の併用は「可能」とのことでした。

従いまして、自用地の価格を広大地適用で算出し、その後借家権の減価を実施することが認められるとのことです。

但し、広大地適用に際しては、各種制限があり、その制限は当然クリアしていることが前提です。

広大地の規定と利用価値が著しく低下している宅地の評価減10%との併用は可能ですか?

原則可能です。国税庁ホームページのタックスアンサーに以下の記述がございます。

【No.4617 利用価値が著しく低下している宅地の評価  [平成25年4月1日現在法令等]  

次のようにその利用価値が付近にある他の宅地の利用状況からみて、著しく低下していると認められるものの価額は、その宅地について利用価値が低下していないものとして評価した場合の価額から、利用価値が低下していると認められる部分の面積に対応する価額に10%を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価することができます。

1  道路より高い位置にある宅地又は低い位置にある宅地で、その付近にある宅地に比べて著しく高低差のあるもの

2  地盤に甚だしい凹凸のある宅地

3  震動の甚だしい宅地

4  1から3までの宅地以外の宅地で、騒音、日照阻害(建築基準法第56条の2に定める日影時間を超える時間の日照阻害のあるものとします。)、臭気、忌み等により、その取引金額に影響を受けると認められるもの  

また、宅地比準方式によって評価する農地又は山林について、その農地又は山林を宅地に転用する場合において、造成費用を投下してもなお宅地としての利用価値が著しく低下していると認められる部分を有するものについても同様です。  

ただし、路線価又は倍率が、利用価値の著しく低下している状況を考慮して付されている場合にはしんしゃくしません。 】

広大地全体で利用価値が著しく低下していれば、広大地補正後さらに10%減が可能ですが、一部にとどまる場合は、低下部分のみ10%減を認める対応となる可能性がございます。 従いまして、ケースバイケースで判断する必要がございます。

利用区分の異なる土地を一括で広大地評価は可能ですか?

不可能です。

広大地判定は利用区分毎、つまり評価単位毎に判定する必要がございます。

従いまして、

①利用区分により、評価単位を確定

②評価単位毎に、広大地評価が可能か判定

以上の流れとなります。

①の評価単位を確定しないままの広大地適用は当然出来ません。

広大地と共有

問 

共有している土地の広大地評価は可能でしょうか?

回答 

原則適用可能です。但し、遺産分割に際して、土地を分筆し、それぞれが単独所有となってしまうと、取得者単位の原則により、分筆された土地が評価単位となってしまいますので、注意が必要です。広大地判定は評価単位毎に実施するため、分筆により広大地規定の適用が困難となるケースも生じます。安易な遺産分割は禁物かと存じます。

広大地とスーパーマーケット

スーパーマーケットが所在する10000㎡程度の土地が相続税の対象となっていますが、広大地の規定を利用出来ますか?容積率は200%、駅からはバス便、路線は普通商業・併用住宅です。

回答

非常に悩ましい土地ですね。マンション適地としては、駅距離から成立しない土地ですが、スーパーマーケットで、周辺住民の利用があり、合理的に一体利用されていると判断されますと、広大地は否認されるものと存じます。一方、例示として戸建住宅が連担する住宅街におけるファミレスの場合は、広大地の適用も認められる記述の書籍もありますので、周辺地域の利用状況の分析、標準的宅地の面積認定、周辺地価公示地等の面積等、多角的に判断した上で、広大地適用可否を判断する必要がございます。従いまして、画一的に広大地適用は無理とは言えませんが、明らかに広大地とも言い切れません。

非線引き都市計画区域及び準都市計画区域のうち、用途地域が定められている区域は市街化区域に準じた面積で、著しく広大か否かの判定を行うようですが、具体的な面積を教えてください。

非線引き都市計画区域及び準都市計画区域においては、用途地域が定められている地域と定められていない地域とに区分されます。

用途地域が定められている地域は市街化を想定した地域と言えるため、面積要件を「市街化区域に準じた面積」に緩和して、広大地判定を行っていいこととなっております。 

従いまして、目安ではありますが、「1000㎡以上」でしたら可能性は高いものと考えられます。 

但し、地域の実情は当然考慮する必要がございますので、正確な判断は現地調査や役所調査を通じて行う必要がございます。

広大地評価の可否について

質問 

準工業地域(容積率 200%、建ぺい率 60%)と工業地域(容積率 200%、建ぺい率 60%)の2つの市(東京近郊)にまたがる、間口 40m 、奥行 80m、地積 3,200㎡(長方形)の倉庫で、一つの道路(路線価区域:1㎡130D)に面しています。周りは工場ばかりでしたが、マンションもかなり建設されるようになりました(隣もマンション)。以前からある住宅の他、最近、すぐ近くに、公園を備えた広大な戸建住宅分譲用地も開発されてできました。 この土地の広大地評価の可否、可能性について、ご教授下さい。宜しくお願い致します。 

回答 

結論から申し上げますとグレーゾーンです。容積率が300%以上の場合は原則広大地適用不可ですが、対象地は200%ですので、すぐに否認される土地ではありません。一つの道路のみに面しているということであれば、奥の土地を利用するには道路を新たに築造する必要もありますので、路地状開発可能と判断され、否認されることもなさそうです。また、路線価も普通住宅地のもののようですので、商業施設用地等で否認されることもなさそうです。気がかりなのは、駅距離が不明な点、周辺にマンションがかなり建設されているという点です。マンションの場合、戸建住宅よりも㎡単価が高くなる傾向にあります。このことはつまり、居住の快適性よりも利便性を重視するということの説明にもなります。確かに戸建住宅で30坪程度の2階建ての場合、床面積の合計は100㎡前後ですが、マンションで100㎡前後となるとかなり大型なものとなり、仮に駅近の新築マンションであれば、サラリーマンではとても購入できない価格帯の商品となります。従って、戸建住宅と同程度のマンションの床面積は70㎡程度と言って宜しいかと思います。マンションは駅徒歩10分程度内に密集する傾向にあり、その外側を戸建住宅が占めるイメージです。ご質問からは駅距離が分かりませんので、マンションが最有効なのかが判断できません。さらに、工場敷地がマンション敷地になることは今のご時世よくあるケースであり、マンションもかなり建設されるようになったそうですので、戸建よりもマンション地域に移行している地域なのかもしれません。いずれに致しましても、個別具体的に判断する必要がある土地ですので、結論を安易になさらないようにしていただきたく存じます。

倍率地域にある市街地農地に広大地適用は可能ですか?

可能な場合はあろうかと存じます。

但し、広大地該当候補地の建築基準法上の道路の状況や開発許可必要面積等、入念な現地調査、役所調査が必要となります。

また、市街地農地としての判定の正確性も問題となります。

相続の宅地の評価の広大地で開発行為を行うとした場合とはどういう意味ですか?

例えば、三大都市圏の普通住宅地区にある600㎡の自宅の場合で、周辺の標準的な宅地に比べて広大な場合は、適用はあるんですか?  

≪回答≫ 

広大地適用の面積要件に「その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地」 というものがございます。ただ、この内容ですと漠然としておりますので、実務上は対象地の所在する市区町村における開発許可必要面積以上であれば、面積要件は満たされるものと判断されることが主流です。三大都市圏の開発許可必要面積は500㎡以上ですので、面積要件に限れば問題はないように思います。 

但し、中小工場地区や大工場地区の場合は、地域の標準利用を工場と判断しているため、この場合は著しく地積が広大と言えなくなりますので注意が必要です。この点、今回の対象地は普通住宅地区ですので問題なさそうですね。

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